2003/12/01
久し振りに[Theater]のページを更新しました。前回このコーナーでお話ししたブルガリアの春を祝う収穫祭[バラの谷の祭り]の写真です。バラ畑に収穫の様子を見に行って一番ビックリしたのは、ビニール袋に詰め込まれたバラの花の多さでした。無造作に袋詰めにされたバラの花は畑の脇で計量されトラックに積み込まれてゆくのですが、まるでゴミの収集みたいな量なんです。それもその筈、僅か1gのローズオイルを採るのに実に3kgのバラの花が必要なのです。収穫されたバラはまず水に漬け込まれ加熱され、香りの成分がたっぷり溶け込んだ[ローズウォーター]が出来ます。化粧水やリネンウォーターとして使われるローズウォーターは、実際のバラそのままの甘く爽やかな香りです。このローズウォーターから分留によって香りの主成分であるオイル成分のみを抽出したのがローズオイルです。このローズオイルは高級な香水の原料としてフランスなどに輸出されるのですが、元のバラの花の香りとはかなり違っています。現地でもお土産用にローズオイルがたくさん売られているのですが、値段の安いものは合成の物で本物はきちんと封印されていてそれなりに高価です。ただ香りは一瞬かぐと合成の方がそれらしく感じられます。ところが時間が経つにつれ薄っぺらい安物の化粧品のような香りになってしまいます。本物の方は最初はちょっと強すぎるのですが、薄まってゆくにつれ後味のよい香りが残ります。丁度合成の調味料と天然のだしのちがいみたいな感じです。僕はバラ畑でもらったバラの花をシャツのポケットに入れてそのまま忘れてしまったのですが、3日位して気付いたらまだ香りがしっかり残っていてビックリしました。ブルガリアン・ローズが愛される理由がわかったような気がします。[ローズ]と言えば、先日JーWAVEを聴いていたらとても懐かしい曲が流れてきました。伝説のロック・シンガー「ジャニス・ジョプリン」をモデルにした映画[THE ROSE]のテーマソング。この映画で主人公に扮するベット・ミドラーは本当に最高なのですが、そのラストシーンで流れるのがこの曲。「20年も前の歌が何でJーWAVEで?」と思ったのですが、なんと平井堅チャンがニューアルバムでカバーしてたんです。やっぱり本物はしっかりと残るんですね。
photographer 大塚佳男
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