Dear Friends
2004/09/15

 

すっかりご無沙汰してしまいました。今年の夏は本当に暑かったですね。オリンピックも終わって、ただ観ていただけなのにどっと疲れが出てきたような気がします。スポーツ観戦はやはりリアルタイムでないとつまらないので、ついつい夜遅くまで観てしまいました。でもお陰で数々のドラマチックなシーンを体験することが出来ました。残念ながら[体操の団体]は見逃してしまいましたが、僕が一番ドキドキしたのはなんと言っても女子マラソン。いつ追いつかれてしまうかと、ずっとハラハラ・ドキドキ。「すぐ後ろに迫っているのに手なんか振って~!」と、もう絶叫ものでした。優勝した野口選手は綿密なゲームプランを立て、ハイテクを駆使したシューズに身を固め、ドリンクの温度管理までして、その力を出し切り見事に金メダルを勝ち取りました。マラソンに限らず現代スポーツは一個人の努力だけではとても勝てない時代になってきているのは事実だと思います。北島選手には平井コーチの他、映像分析、戦略分析、ウェイト・トレーニング、コンディショニング、の5人の専門家がプロジェクト・チームを編成してサポートしました。そんな中で僕が一番ビックリしたのは、マラソンで野口みずき選手をあと一歩のところまで追いつめたケニアのヌデレバ選手の試合後のインタビューでした。なんとヌデレバ選手はマラソンコースを一度も試走しなかったと言うのです。その理由が「コースへの挑戦心が無くなるから。」というものでした。確かに完璧な準備をして最善の結果を出した人々も素晴らしいけど、挑戦する気持ちを大切にしたヌデレバ選手は何かとても健康的でスポーツの本質に触れているような気がしました。僕はふと、アフリカの大地に立った時に感じるなんとも言えない解放感を想い出しました。科学で固めた現代スポーツにどこか息苦しさを感じてしまうのは、僕だけでしょうか?子供みたいに小柄な野口選手を追いかけているヌデレバ選手はちょっとおっかなかったけど、彼女こそ本物のアスリートなのかもしれません。

 
 

photographer 大塚佳男

 
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